24年ぶりに復活した新型ホンダ・#プレリュード。617万円という価格に注目が集まりがちですが、実際の保有では維持費こそが重要なポイントです。「月々いくらかかるの?」「年間維持費はどのくらい?」という疑問にお答えします。
本記事では、新型プレリュードを10年間・10万km使用した場合の実質コストを、できるだけリアルに試算します。ハイブリッドならではの燃費の良さがある一方で、プレミアムクーペとしての維持費もかかる現実を、具体的な数字で見ていきましょう。
プレリュード維持費の前提条件
見れば見るほどプリウスに似ている…

今回のシミュレーションでは、以下の前提で計算しています。
車両情報
- 新車購入価格:618万円(標準モデル)
- 保有期間:10年
- 走行距離:10万km(年1万kmペース)
- 10年後の下取り価格(残価):220万円
車両仕様
- エンジン:2.0L直4 + e:HEVハイブリッド
- 燃費:18.6km/L(WLTCモード想定)
- 排気量:1993cc
- 駆動方式:FF(前輪駆動)
使用環境
- 関東圏での使用を想定
- 年間走行距離1万km(通勤+レジャー使用)
- 車庫は月極駐車場を利用
維持費詳細分析:1kmあたりのコストを試算

以下の表は、10年間の合計費用と、それを1kmあたりに換算した値です。
費用項目 | 総額(10年) | 1kmあたり | 内容 |
---|---|---|---|
減価償却 | 398万円 | 39.8円/km | 購入価格 – 売却価格 |
燃料費 | 約86万円 | 8.6円/km | ガソリン価格165円/L、燃費18.6km/L |
自動車保険 | 約140万円 | 14.0円/km | 年14万円前後 |
整備・消耗品 | 約120万円 | 12.0円/km | タイヤ、バッテリー、オイル等 |
税金 | 約39万円 | 3.9円/km | 自動車税+重量税 |
駐車場 | 約180万円 | 18.0円/km | 月1.5万円想定 |
合計 | 963万円 | 96.3円/km | – |
つまり、1km運転するたびに約96円が消えていくというのが、この車のリアルです。
年間・月間で考えると?
年間1万km乗ると仮定すると、以下のような金額になります。
年間: 96円 × 10,000km = 約96万円 月間: 96万円 ÷ 12ヶ月 = 約8万円 1日あたり: 約2,630円(毎日乗る場合)
ハイブリッドシステムの恩恵で燃料費は抑えられていますが、プレミアムクーペとしての保険料や整備費用がそれなりにかかると思われます。
維持費項目別詳細解説


燃料費:年間約8.6万円
計算根拠
- 年間走行距離:10,000km
- 燃費:18.6km/L(WLTCモード想定)
- ガソリン消費量:約538L/年
- ガソリン価格:165円/L(ハイオク)
- 年間燃料費:約8.6万円
e:HEVの燃費メリット 新型プレリュードのe:HEVシステムは、低速域ではモーター駆動、高速域ではエンジン直結と、効率的に使い分けます。従来のスポーツクーペと比較すると、燃料費は大幅に削減されています。
実燃費の想定
- 市街地:約16km/L
- 郊外:約20km/L
- 高速道路:約19km/L
- 総合実燃費:約17〜18km/L
自動車保険:年間約14万円
保険料に影響する要因
車両特性
- 車両価格:618万円(高額車両)
- 車種分類:スポーツクーペ(事故率考慮)
- 盗難リスク:プレミアム車種
年齢・条件別保険料目安
- 20代:年間18〜25万円
- 30代:年間14〜18万円
- 40代以上:年間12〜16万円
保険料節約のポイント
- 車両保険の免責額設定(5〜10万円)
- 年間走行距離の申告(1万km以下)
- ゴールド免許割引の活用
- インターネット割引の利用
税金:年間約3.9万円
自動車税(年間)
- 排気量1.5L超〜2.0L以下:39,500円
- グリーン化税制:減税対象(ハイブリッド車)
- 実質負担:約35,000円/年
自動車重量税(車検時)
- 車重1.5〜2.0t:32,800円(2年分)
- エコカー減税:50%減税適用
- 実質負担:約16,400円(2年分)
その他税金
- 取得税:廃止済み
- 環境性能割:1〜2%(購入時のみ)
整備・消耗品:年間約12万円
定期交換部品
エンジンオイル
- 交換頻度:6ヶ月または1万km
- 費用:約8,000円/回
- 年間費用:約16,000円
タイヤ
- 交換頻度:4〜5年
- 19インチタイヤ:約25万円/セット
- 年間按分:約5〜6万円
ブレーキパッド/ローター
- ブレンボ製高性能ブレーキ
- 交換頻度:3〜4年
- 費用:約15万円/回
- 年間按分:約4万円
バッテリー
- ハイブリッド用補機バッテリー
- 交換頻度:4〜5年
- 費用:約3万円
- 年間按分:約6,000円
その他消耗品
- エアフィルター、ワイパー等:年間約1万円
車検・点検費用
車検(2年毎)
- 基本料金:約8万円
- 部品交換:約5万円
- 法定費用:約5万円
- 合計:約18万円/回
- 年間按分:約9万円
12ヶ月点検
- 費用:約2万円/回
- 年間按分:約2万円
駐車場代:年間約18万円
地域別駐車場相場
都市部(東京23区内)
- 月額:3〜5万円
- 年間:36〜60万円
郊外(関東圏)
- 月額:1〜2万円
- 年間:12〜24万円
地方都市
- 月額:0.5〜1万円
- 年間:6〜12万円
本試算では関東郊外での月額1.5万円で計算しています。
新型プレリュードと他車種の維持費比較

車種 | 購入価格 | 年間維持費 | 1kmあたり |
---|---|---|---|
新型プレリュード | 618万円 | 約96万円 | 96円/km |
シビック タイプR | 500万円 | 約105万円 | 105円/km |
トヨタ スープラ | 550万円 | 約110万円 | 110円/km |
BMW 2シリーズクーペ | 600万円 | 約130万円 | 130円/km |
レクサス RC | 700万円 | 約140万円 | 140円/km |
ハイブリッドシステムの燃費性能により、同価格帯のスポーツクーペと比較して維持費が抑えられているのが特徴です。
維持費を抑える方法
燃費向上による節約
効率的な運転
- エコモードの活用
- 急加速・急減速の回避
- 一定速度での走行
メンテナンス
- タイヤ空気圧の適正管理
- 定期的なエンジンオイル交換
- エアフィルターの清掃・交換
保険料の節約
見直しポイント
- 複数社での一括見積もり
- 車両保険の免責額設定
- 特約の見直し
- 年間走行距離の正確な申告
年間節約効果: 2〜5万円
整備費用の節約
ディーラー以外の選択肢
- 認定整備工場の活用
- 部品持ち込み可能な工場
- オイル交換専門店の利用
DIYメンテナンス
- 洗車・ワックス
- エアフィルター交換
- ワイパー交換
年間節約効果: 1〜3万円
駐車場代の節約
駐車場選びのポイント
- 距離と料金のバランス
- セキュリティの確認
- 屋根付きの優先
年間節約効果: 地域により大幅に変動
10年間の総保有コスト詳細
購入から売却までの全費用
初期費用
- 車両本体価格:618万円
- 諸費用:約30万円
- オプション:約20万円
- 合計:約668万円
年間維持費×10年
- 維持費合計:約960万円
売却価格
- 10年後下取り:約220万円
実質保有コスト
- 総額:約1,408万円
- 実質負担:約1,188万円(売却益控除後)
1km・1日あたりの実質コスト
1kmあたり: 約119円(売却益考慮後) 1日あたり: 約325円(年間10,000km想定) 月間実質コスト: 約9.9万円
維持費を踏まえた購入判断
購入を推奨できる年収層
年収1,000万円以上
- 維持費込みでも家計に余裕
- 趣味の車として十分楽しめる
- 長期保有が現実的
年収800〜1,000万円
- 計画的な家計管理が前提
- 他の支出との優先順位を検討
- 短〜中期保有がおすすめ
慎重な検討が必要な年収層
年収600〜800万円
- 家計における車費用の割合が高い
- 他のローンとの兼ね合いを要確認
- 中古車での購入を検討
年収600万円未満
- 維持費負担が重すぎる可能性
- 他の車種を検討することを推奨
まとめ

プレンボまでブレーキ必要だった?
新型ホンダ・プレリュードの10年間保有における維持費は、約960万円(年間約96万円)となります。
#維持費の特徴
- 1kmあたり約96円の走行コスト
- ハイブリッドによる燃料費節約効果
- プレミアムクーペとしての保険・整備費用
購入推奨年収
- 余裕を持った保有:年収1,000万円以上
- 計画的な保有:年収800〜1,000万円
- 要検討:年収800万円未満
24年ぶりに復活したプレリュードは、ハイブリッド技術により従来のスポーツクーペより燃費面でのアドバンテージがあります。しかし、プレミアムクーペとしての保険料や整備費用も考慮すると、年収800万円以上での購入が現実的といえるでしょう。
購入前には、車両価格だけでなく維持費も含めた総保有コストを慎重に検討し、長期間にわたって無理なく楽しめるかどうかを判断することが重要です。