「新しいクラウンの形」として登場したクラウン クロスオーバー。#セダンとSUVを融合させた革新的なスタイルで、従来のクラウンとは全く違った魅力を提供しています。リフトアップされたボディによる堂々たる存在感と、クーペライクな流麗さを併せ持つデザインは、多くの人の心を掴んで離しません。しかし、購入を真剣に検討する段階で、誰もが直面するのが「維持費ってどのくらいかかるの?」という疑問です。
本記事では、#クラウン クロスオーバーを10年間・10万km使ったときの実質コストを、できるだけリアルに試算します。
「憧れ」だけでは済まされない現実も、しっかり数字で見ていきましょう。
クラウン クロスオーバー購入の想定条件

今回のシミュレーションでは、以下の前提で計算しています。保険料等は安くなる場合もあるので具体的な試算は一括見積もりサイトなどを使うと便利です。
- 新車購入価格:600万円(Zグレード)
- 保有期間:10年
- 走行距離:10万km(年1万kmペース)
- 10年後の下取り価格(残価):180万円
- 燃費:19km/L(2.5Lハイブリッドモデル)
- レギュラーガソリン価格:170円/L
- 東京都内で駐車場を借りる想定
維持費一覧:1kmあたりのコストを試算
以下の表は、10年間の合計費用と、それを1kmあたりに換算した値です。
費用項目 | 総額(10年) | 1kmあたり | 内容 |
---|---|---|---|
減価償却 | 420万円 | 42円/km | 購入-売却 |
燃料費 | 約89万円 | 8.9円/km | レギュラー170円/L、燃費19km/L |
保険 | 約100万円 | 10円/km | 年10万円前後 |
整備・消耗品 | 約120万円 | 12円/km | タイヤ、バッテリー、オイル等 |
税金 | 約65万円 | 6.5円/km | 自動車税+重量税 |
駐車場 | 約240万円 | 24円/km | 月2万円想定 |
合計 | 1,034万円 | 103.4円/km | – |
つまり、1km運転するたびに約103円が消えていくというのが、この車のリアルです。
思ったよりかかる印象です!
RSグレード(2.4Lターボハイブリッド)の場合
高性能なRSグレード(670万円)の場合、パワフルな走りの代償として燃費がやや劣ります。
購入価格:670万円
残価:200万円
燃費:15km/L
燃料費:約113万円
RS総額:1,128万円
1kmあたり:112.8円
パワフルな走りを楽しめる反面、年間約2.4万円のコスト増となります。
年間・月間で考えると?
年間1万km乗ると仮定すると、以下のような金額になります。
Zグレード(2.5Lハイブリッド)の場合
年間:103円 × 10,000km = 約103万円
月間:103万円 ÷ 12ヶ月 ≒ 約8.6万円
1日あたり:約2,800円(毎日乗る場合)
RSグレード(2.4Lターボハイブリッド)の場合
年間:113円 × 10,000km = 約113万円
月間:113万円 ÷ 12ヶ月 ≒ 約9.4万円
1日あたり:約3,100円(毎日乗る場合)
単純な移動コストとして考えると、電車通勤+タクシー併用程度のレベルです。しかし、これは「所有する満足感」や「ライフスタイルの充実」は含んでおらず、複数名での移動や休日のドライブでの価値を考慮すると、コストパフォーマンスの見方は変わってきます。
クラウン クロスオーバーを買う人の年収は?
正確な統計データは存在しませんが、実質コストと市場動向を加味して考えると、年収800~1,400万円層がボリュームゾーンだと推定されます。
- 年間約100万円の維持費+ローン返済 → 相応の可処分所得が必要
- 法人契約やリースを使った節税利用も多い
- 40-50代の管理職・経営者クラスでの利用
つまり、経済的に余裕があり、かつ車に対する価値観を持つ「アッパーミドル層」が主要なターゲットというのが実態です。
他のプレミアムSUVとの維持費比較
参考までに、同価格帯のプレミアムSUVと比較してみます(1kmあたりコスト)。
#トヨタ クラウン クロスオーバー:約103円/km
レクサス NX:約108円/km
メルセデス GLC:約115円/km
BMW X3:約118円/km
ボルボ XC60:約112円/km
クラウン クロスオーバーは、同クラスのプレミアムSUVと比べて維持費が抑えられる傾向にあります。これは優秀な燃費性能、国産車ならではの部品コストの安さ、そして全国のトヨタディーラーでのメンテナンス体制の充実が要因です。
維持費を抑えるポイント
メンテナンスパックの活用
トヨタの「メンテナンスパック」を利用することで、定期点検費用を平準化でき、年間約2-3万円のコスト削減効果があります。
エコドライブの実践
ハイブリッドシステムの特性を活かしたエコドライブにより、燃費を2-3km/L改善でき、年間約1.5-2万円の燃料費削減が可能です。
保険の最適化
#SUVの特性を理解した保険プラン選択や、安全装備による割引活用で年間2-4万円の削減効果があります。
法人利用の検討
個人事業主や法人経営者の場合、業務用として購入することで、減価償却や経費計上により実質的な負担を軽減できます。
各グレードの維持費特性

Gグレード(515万円)
最もコストパフォーマンスに優れたモデル。年間維持費約95万円で、同クラス最安水準。
Zグレード(595万円)
バランスの取れた仕様。年間維持費約103万円で、装備と経済性のベストバランス。
RSグレード(670万円)
高性能志向モデル。年間維持費約113万円だが、パワフルな走りの価値を重視する方向け。
ライフスタイル別コストシミュレーション
週末ドライバー(年間5,000km)の場合
年間コスト:約75万円(月約6.3万円)
主にアウトドアや旅行での利用中心
通勤利用(年間15,000km)の場合
年間コスト:約140万円(月約11.7万円)
日常的な利用でフル活用
ビジネス利用(年間20,000km)の場合
年間コスト:約180万円(月約15万円)
法人経費として活用可能
結論:「新しいクラウン」は維持費とセットで現実に
クラウン クロスオーバーは魅力的なクルマです。しかし、その維持には、10年間で約1,000万円が必要になります。この金額は、ミドルクラスセダン2台分に相当。「ライフスタイルの充実」として割り切って購入する分には、所有する喜びは十分に得られるでしょう。
「単なる憧れ」で手を出すには少々負担が大きい。クラウン クロスオーバーは、セダンとSUVの融合という革新的なコンセプトを体現した唯一無二の一台。その価値を理解し、計画的に所有していただける方にこそ、真の魅力を発揮する車だと言えるでしょう。従来のクラウンとは全く違うキャラクターを持ちながら、品質の高さとブランドの信頼性は受け継いでいる。この絶妙なバランスが、新時代のプレミアムSUVとしての価値を生み出しているのです。
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