スポーティで攻撃的なフロントマスクが印象的なトヨタのヴェルファイア。アルファードの兄弟車として誕生し、よりダイナミックでエモーショナルなデザインで多くのファンを獲得してきました。しかし、2023年のアルファード フルモデルチェンジに伴い、#ヴェルファイアは一旦生産終了となり、現在は在庫車や中古車での購入が中心となっています。それでも根強い人気を誇るヴェルファイアを手に入れるためには、いったいどれくらいの年収が必要なのでしょうか。今回は、ヴェルファイアを購入するために必要な年収や購入時の注意点について詳しく解説します。
ヴェルファイアの価格とグレード

2022年まで販売されていた30系ヴェルファイア(最終モデル)の価格帯は以下の通りでした。現在は新車での購入は困難ですが、参考として記載します。
最終モデル価格(参考):385万円~775万円(消費税込)
主要グレード(生産終了時):
- X(2.5Lハイブリッド・8人乗り):385万円
- Z(2.5Lハイブリッド・7人乗り):400万円
- Z G Edition(2.5Lハイブリッド・7人乗り):481万円
- ZG(2.5Lハイブリッド・7人乗り):520万円
- ZA G Edition(2.5Lハイブリッド・7人乗り):541万円
- Executive Lounge(2.5Lハイブリッド・7人乗り):775万円
ガソリンエンジンモデル(2.5L・3.5L V6)も設定されていましたが、燃費性能と静粛性の観点から、ハイブリッドモデルが圧倒的に人気でした。
現在のヴェルファイア購入事情
新車在庫車の状況
2023年以降、ヴェルファイアの新車生産は終了していますが、ディーラーには若干の在庫車が残っている場合があります。しかし、人気グレードやカラーはすでに完売しており、選択肢は限定的です。
在庫車価格:定価+10~50万円程度のプレミアム
人気が高いため、定価を上回る価格設定となっているケースが多く見られます。
中古車市場の価格動向
ヴェルファイアの中古車価格は、生産終了により高止まりしている状況です。
中古車価格帯:
- 2019年式以降:450万円~700万円
- 2016~2018年式:350万円~550万円
- 2015年式以前:250万円~400万円
特に、Executive LoungeやZGなどの上級グレード、人気カラー(ブラック・ホワイトパール)は高値で取引されています。
車の購入と年収の関係

車購入の一般的な年収目安
一般的に、車の購入費用は「年収の半分程度」が目安とされています。この理由は、年収の半分程度の価格であれば、ローンの審査に通りやすく、返済も無理なく行えるとされているためです。
つまり、単純計算すれば:
- 年収600万円→300万円程度の車
- 年収800万円→400万円程度の車
- 年収1,000万円→500万円程度の車
という金額が目安になります。
ヴェルファイアを購入するために必要な年収
ヴェルファイアの現在の実売価格を考慮すると、購入パターンによって必要な年収は大きく異なります。
💰 富裕層(キャッシュ・短期ローン購入)
購入パターン: 現金一括またはキャッシュフロー重視の短期ローン
新車在庫車の場合
エントリー相当(450万円程度)
- 必要年収: 1,200万円~
- 月額負担: 維持費のみ約8.3万円
人気グレード(550万円程度)
- 必要年収: 1,400万円~
- 月額負担: 維持費のみ約8.8万円
最上級グレード(800万円程度)
- 必要年収: 2,000万円~
- 月額負担: 維持費のみ約9.5万円
中古車の場合
2019年式以降(500万円程度)
- 必要年収: 1,300万円~
- 月額負担: 維持費のみ約8.5万円
2016~2018年式(400万円程度)
- 必要年収: 1,100万円~
- 月額負担: 維持費のみ約8.0万円
🏠 一般購入者(残価設定ローン・頭金併用)
購入パターン: 残価設定型クレジット、頭金併用、長期ローン活用
新車在庫車の場合
エントリー相当(450万円)
- 必要年収: 650万円~900万円
- 月額負担例: 約9-12万円
- 残価設定45%(203万円据置)
- 頭金50万円、実質借入197万円
- 月々約2.8万円 + 維持費約8.3万円
人気グレード(550万円)
- 必要年収: 750万円~1,100万円
- 月額負担例: 約10-13万円
- 残価設定45%(248万円据置)
- 頭金70万円、実質借入232万円
- 月々約3.3万円 + 維持費約8.8万円
最上級グレード(800万円)
- 必要年収: 1,100万円~1,500万円
- 月額負担例: 約13-16万円
- 残価設定40%(320万円据置)
- 頭金130万円、実質借入350万円
- 月々約5.0万円 + 維持費約9.5万円
中古車の場合(残価設定ローン適用)
2019年式以降(500万円)
- 必要年収: 700万円~1,000万円
- 月額負担例: 約9-12万円
- 残価設定40%(200万円据置)
- 頭金80万円、実質借入220万円
- 月々約3.1万円 + 維持費約8.5万円
2016~2018年式(400万円)
- 必要年収: 600万円~850万円
- 月額負担例: 約8-11万円
- 残価設定35%(140万円据置)
- 頭金60万円、実質借入200万円
- 月々約2.9万円 + 維持費約8.0万円
💡 さらに購入ハードルを下げる方法
より古い年式の活用
- 2013~2015年式: 年収500万円~
- 車両価格: 約250-350万円
- 月額負担: 約6-8万円(残価設定ローン+維持費)
法人購入・リース活用
- 必要年収: 個人の7-8割程度に軽減
- 節税効果: 減価償却、経費計上による実質負担軽減
長期ローンの活用
- 7年ローン: 月々の支払いを1-2万円軽減
- 頭金を多く用意: 借入額削減で年収要件を下げる
返済負担率の考慮
ローン審査では「返済負担率」が重要な指標となります。これは年収に対する年間のローン返済額の割合を示すもので、一般的に25%~35%が目安とされています。
例えば、年収700万円の場合、年間のローン返済額は175万円~245万円程度が上限となります。月々に換算すると、約15万円~20万円程度です。
ヴェルファイア購入の現実的なシナリオ
年収650万円の場合
年収650万円で新車在庫車のヴェルファイア(450万円)を購入する場合
残価設定ローン活用パターン:
- 頭金:50万円
- 残価設定:203万円(45%)
- 実質借入額:197万円
- 返済期間:5年
- 月々の返済額:約2.8万円+維持費8.3万円
合計月額負担:約11.1万円 返済負担率:約20%(適正範囲)
年収800万円の場合
年収800万円で中古のヴェルファイア2018年式(400万円)を購入する場合
残価設定ローン活用パターン:
- 頭金:60万円
- 残価設定:140万円(35%)
- 実質借入額:200万円
- 返済期間:5年
- 月々の返済額:約2.9万円+維持費8.0万円
合計月額負担:約10.9万円 返済負担率:約16%(余裕のある範囲)
残価設定ローンのメリット・デメリット
メリット
- 月々の支払額を大幅軽減:通常ローンの半額程度
- 購入時の頭金を抑制可能:資金繰りの改善
- 希少車両への早期アクセス:生産終了車でも購入しやすい
デメリット(生産終了車特有の注意点)
- 走行距離制限:年間1万km程度の制限
- 部品調達リスク:修理時の部品供給不安
- 残価保証の変動:希少価値による残価設定の不確実性
ヴェルファイア維持費の考慮
車の購入を検討する際は、「買える」だけでなく「維持できる」かどうかも重要なポイントです。ヴェルファイアのような生産終了した大型ミニバンは、特有の維持費リスクも考慮する必要があります。
主な維持費(年間)
- 自動車税:約4.5万円(2.5Lハイブリッド)
- 自動車保険:約8~15万円(生産終了車のため若干高め)
- 燃料費:約12~20万円(ハイブリッド)/ 約18~30万円(ガソリン)
- 駐車場代:都市部で約24~36万円
- 点検・整備費:約5~12万円(部品調達費含む)
- 車検(2年に1回):約15~25万円
これらを合計すると、年間約75~125万円程度の維持費がかかると想定されます。
生産終了車特有の購入・保有リスク
部品供給の不安
- 一般部品: 当面10年程度は安定供給
- 専用部品: 在庫限りで供給終了の可能性
- 修理費用: 部品調達困難による高騰リスク
残価設定ローン利用時の注意点
- 残価保証の変動: 希少価値の変動による影響
- 修理費用の増加: 返却時の原状回復費用
- 走行距離制限: 年間1万km以内の厳守
トヨタ・ヴェルファイア購入まとめ
#トヨタ・ヴェルファイアの購入を検討する場合、購入方法と車両の状態によって必要な年収は大きく異なります。
キャッシュ購入の場合
新車在庫車:
- エントリー相当:年収1,200万円以上
- 人気グレード:年収1,400万円以上
- 最上級グレード:年収2,000万円以上
中古車:
- 2016~2018年式:年収1,100万円以上
- 2019年式以降:年収1,300万円以上
残価設定ローン活用の場合
新車在庫車:
- エントリー相当:年収650万円以上
- 人気グレード:年収750万円以上
- 最上級グレード:年収1,100万円以上
中古車:
- 2016~2018年式:年収600万円以上
- 2019年式以降:年収700万円以上
ヴェルファイアは生産終了により希少価値が高まっており、今後ますます入手困難になることが予想されます。残価設定ローンを活用することで、比較的幅広い年収層での購入が可能になりますが、生産終了車特有のリスクも十分に理解する必要があります。
購入前に検討すべき重要なポイント:
- 年間走行距離が制限内に収まるか
- 部品調達困難時の修理費用増加への対応策
- 月々の返済額+維持費を継続的に支払えるか
- 3年後の選択肢(返却・買取・乗り換え)の理解
- 長期保有への覚悟と愛着
「最後のヴェルファイア」という特別な価値を理解し、十分な資金計画のもとで購入を検討することが重要です。その唯一無二のデザインと希少性は、多くの困難を乗り越えてでも手に入れる価値があると考える愛好者にとって、かけがえのない存在となることでしょう。