ドイツが誇るスポーツカーブランド、ポルシェのミッドシップスポーツカー「ケイマン」。911の弟分として位置づけられながらも、独自の魅力を持つピュアスポーツカーとして世界中のファンを魅了しています。2023年に「718ケイマン」として進化を遂げ、よりパワフルで洗練されたスポーツカーとなりました。オープンカーバージョンは718ボクスターとなっていて姉妹車になります。
しかし、「この憧れのポルシェを手に入れるためには、いったいどれくらいの年収が必要なのだろうか?」と考える方も多いのではないでしょうか。今回は、ケイマンを購入するために必要な年収や購入時の注意点について詳しく解説します。
ケイマンの現行価格とグレード

2025年モデルのケイマンは、ポルシェの技術力を結集したミッドシップスポーツカーとして、魅力的ながらも高価格な設定となっています。現在の価格帯は以下の通りです。価格は変動する可能性があるため、参考程度にご確認ください。
メーカー希望小売価格:777万円~1,680万円(消費税込)
主要グレード:
- 718ケイマン:777万円
- 718ケイマンT:895万円
- 718ケイマンS:950万円
- 718ケイマンGTS 4.0:1,259万円
- 718ケイマンGT4:1,680万円
エントリーモデルの718ケイマンには2.0リッター水平対向4気筒ターボエンジン(300PS)を搭載し、上位グレードのGTS 4.0とGT4には4.0リッター水平対向6気筒自然吸気エンジン(400PS/420PS)を搭載しています。全モデルでマニュアルトランスミッション(MT)またはPDK(ポルシェ・ドッペルクップルング)の選択が可能です。
車の購入と年収の関係
車購入の一般的な年収目安
一般的に、車の購入費用は「年収の半分程度」が目安とされています。この理由は、年収の半分程度の価格であれば、ローンの審査に通りやすく、返済も無理なく行えるとされているためです。
つまり、単純計算すれば:
- 年収1,600万円→800万円程度の車
- 年収1,900万円→950万円程度の車
- 年収2,500万円→1,250万円程度の車
- 年収3,300万円→1,650万円程度の車
という金額が目安になります。
ケイマンを購入するために必要な年収
ケイマンの価格帯(777万円~1,680万円)を考慮すると、理想的には以下の年収が必要と考えられます。
- エントリーグレード(777万円)の場合:年収1,550万円程度
- 中間グレード(895万円~950万円)の場合:年収1,800万円~1,900万円程度
- 上位グレード(1,259万円)の場合:年収2,500万円程度
- 最上位グレード(1,680万円)の場合:年収3,300万円程度
ただし、これはあくまで理想的な目安であり、実際にはさまざまな要素によって変わってきます。ポルシェという高級スポーツカーブランドの性格上、趣味性が非常に高く、多少無理をしてでも手に入れたいと考える方が多いのも特徴です。
無理なくケイマンを購入するための方法

頭金の用意
年収が上記の目安に達していなくても、十分な頭金を用意することで、ローンの借入額を減らし、月々の支払いを軽減することができます。
たとえば、車両価格900万円に対して400万円の頭金を用意できれば、借入額は500万円となり、年収1,200万円程度でも購入が視野に入ります。一般的には車両価格の30~50%程度の頭金が推奨されますが、ケイマンのような高額車の場合は、より多くの頭金を用意することで、ローンの負担を大幅に軽減できます。
ローンの返済期間と金利
ローンの返済期間は、月々の支払額に大きく影響します。期間を長くすれば月々の支払いは少なくなりますが、その分、支払う利息の総額は増えます。
- 銀行系ローン:金利2%~5%程度
- ディーラーローン:金利5%~8%程度
- ポルシェファイナンシャル:金利3%~6%程度
金利面では銀行系ローンの方が有利ですが、審査は厳しく時間もかかる傾向があります。ポルシェファイナンシャルは専用のローンサービスで、比較的スムーズな手続きが可能です。
返済負担率の考慮
ローン審査では「返済負担率」が重要な指標となります。これは年収に対する年間のローン返済額の割合を示すもので、一般的に25%~35%が目安とされています。
例えば、年収1,500万円の場合、年間のローン返済額は375万円~525万円程度が上限となります。月々に換算すると、約31万円~44万円程度です。
ケイマン購入の現実的なシナリオ
年収1,200万円の場合
年収1,200万円でエントリーグレード(777万円)を購入する場合
- 頭金:300万円(車両価格の約39%)
- ローン借入額:477万円
- 返済期間:5年
- 月々の返済額:約8.5万円+金利
この場合、返済負担率は約8.5%となり、比較的余裕を持った返済計画が立てられます。
年収2,000万円の場合
年収2,000万円で上位グレード(1,259万円)を購入する場合
- 頭金:500万円(車両価格の約40%)
- ローン借入額:759万円
- 返済期間:5年
- 月々の返済額:約13.5万円+金利
返済負担率は約8%となり、他の生活コストを考慮しても、無理のない範囲での購入が可能です。
ケイマンを買う人の年収層
実際の購入者データを考慮すると、ケイマンを購入する方の年収層は以下のような分布になると推定されます。
- ボリュームゾーン:年収1,200万円~2,500万円
- キャッシュ購入:年収3,000万円以上
- 法人契約・経営者:年収2,000万円以上
- セカンドカー利用:年収1,500万円以上
ケイマンは純粋なスポーツカーとして、車好きの方や走りにこだわる経営者・専門職の方が購入されることが多く、多くの場合でセカンドカーとしての利用が前提となります。
認定中古車という選択肢
新車価格が高額なケイマンですが、認定中古車を選択することで購入ハードルを下げることが可能です。
認定中古車の価格帯
- 718ケイマン(2-3年落ち):600万円~700万円
- 718ケイマンS(2-3年落ち):750万円~850万円
- 前世代モデル:400万円~600万円
認定中古車を選択することで、年収1,000万円程度からでもケイマンオーナーになることが可能になります。
認定中古車のメリット
- ポルシェ認定の品質保証
- 残価保証プログラムの利用可能
- メーカー保証の継承
- 金利優遇制度の適用
他の高級スポーツカーとの比較
購入に必要な年収を他の高級スポーツカーと比較してみましょう。
車種 | 価格帯 | 推奨年収 | 特徴 |
---|---|---|---|
ポルシェケイマン | 777-1,680万円 | 1,550-3,300万円 | ドイツ製ミッドシップ |
BMW Z4 | 600-900万円 | 1,200-1,800万円 | ドイツ製オープンスポーツ |
アウディTTRS | 900万円 | 1,800万円 | ドイツ製コンパクトスポーツ |
日産GT-R | 1,300万円 | 2,600万円 | 日本製スーパースポーツ |
ロータスエミーラ | 1,000万円 | 2,000万円 | イギリス製ピュアスポーツ |
ケイマンは高級スポーツカーの中でも比較的幅広い価格帯を持ち、エントリーグレードから最上位グレードまで、様々な年収層に対応している点が特徴です。
ポルシェオーナーとしての特典
ケイマンを購入することで得られる、金銭面以外の価値も考慮すべき要素です。
ポルシェエクスペリエンス
- ポルシェエクスペリエンスセンターでの走行体験
- ポルシェクラブへの参加資格
- オーナー限定イベントへの招待
- サーキット走行会への参加
ブランド価値とリセールバリュー
- 高いブランド価値による社会的ステータス
- 優れたリセールバリュー(5年後60-70%程度)
- 世界共通の価値による資産性
ポルシェケイマン購入まとめ
ポルシェケイマンの購入を検討する場合、理想的には以下の年収が目安となります。
- エントリーグレード:年収1,550万円以上
- 中間グレード:年収1,800万円~1,900万円以上
- 上位グレード:年収2,500万円以上
- 最上位グレード:年収3,300万円以上
ただし、十分な頭金を用意したり、認定中古車を選択したりすることで、年収1,000万円程度からでも購入は可能です。重要なのは、購入後も無理なく維持できるかどうかを総合的に判断することです。
ケイマンは単なる移動手段ではなく、「純粋な走りの楽しさ」と「ポルシェブランドのステータス」を同時に手に入れることができる特別な車です。高額な投資となりますが、それに見合う価値と体験を提供してくれるでしょう。
購入を検討する際は、「毎月の返済額は無理ないか」「維持費は払い続けられるか」「将来の収入や支出の変化に対応できるか」「セカンドカーとして割り切れるか」といった点もしっかり考慮することが大切です。ケイマンなら、これらの条件をクリアした上で、真のポルシェライフを楽しむことができるはずです。