IHI
日本三大重工業の一角 – データで見る企業価値と転職・就職ガイド 2025年
⚠️ 業績注意: IHIは低炭素社会への移行やグローバル情勢により事業環境が大きく変動しており、2024年度は赤字を計上しました。航空エンジン需要回復と新エネルギー事業への転換が業績改善の鍵となっています。
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🏢 企業基本情報
会社名 | 株式会社IHI |
---|---|
英語名 | IHI Corporation |
資本金 | 1,071億円 |
本社所在地 | 東京都江東区豊洲3-1-1 |
設立 | 1889年1月17日 |
従業員数 | 単独7,840名、連結28,237名(2024年3月末) |
📋 企業分析サマリー
#IHIは、1853年創業の「石川島造船所」を起源とする日本三大重工業の一角として、170年以上の歴史を持つ総合エンジニアリング企業である。現在では「資源・エネルギー・環境」「社会基盤」「産業システム・汎用機械」「航空・宇宙・防衛」の4分野でグローバルに事業展開し、特に航空エンジンでは国内シェア約7割、車両用過給機では世界的地位を確立している。連結従業員数約2.8万人、売上収益1.6兆円規模の巨大組織を擁する。
同社の最大の強みは、造船から培った高度なエンジニアリング技術と、航空エンジン分野での圧倒的な技術力、そして長年の実績に基づく信頼性にある。特にジェットエンジンの開発・製造では世界トップクラスの技術を持ち、ボーイングやエアバスなどとの国際共同開発に参画している。一方で、事業の景気循環性が高く、航空業界の動向に業績が大きく左右される構造的課題がある。近年はカーボンニュートラルに向けた新エネルギー技術開発に注力している。
#転職・#就職を検討する際は、世界レベルの技術開発に携われるやりがい、グローバルプロジェクトでの経験機会、技術者としての高い専門性を身につけられる環境が魅力。一方で、重工業特有の長期開発サイクル、景気変動の影響を受けやすい事業特性、保守的な企業文化があることを理解しておく必要がある。最先端技術で社会インフラを支え、ものづくりにこだわりを持つ技術者に適している企業である。
📊 企業概要とキーメトリクス
836万円
平均年収
28,237名
連結従業員数
41.1歳
平均年齢
約70%
国内航空エンジンシェア
1.6兆円
連結売上収益
4分野
主要事業セグメント
💰 年収分析
年代別年収分布
- 20代前半: 450-550万円
- 20代後半: 600-700万円
- 30代: 750-850万円
- 40代: 900-1,100万円
- 50代: 1,100万円以上
💡 年収のポイント
- 重工業界では高水準の年収(836万円)
- 賞与が年収全体の25-30%を占める
- 年功序列による安定した昇給制度
- 課長代理まで残業代、管理職は業績連動
- 航空・宇宙部門の年収が比較的高い
📈 業績推移
年間売上高・営業利益・営業利益率の推移
年度 | 売上高(億円) | 営業利益(億円) | 営業利益率(%) |
---|---|---|---|
2021年 | 11,129 | 279 | 2.5 |
2022年 | 11,729 | 814 | 6.9 |
2023年 | 13,529 | 819 | 6.1 |
2024年 | 13,225 | -701 | -5.3 |
2025年 | 16,268 | 1,435 | 8.8 |
2026年(予想) | 16,500 | 1,500 | 9.1 |
財務健全性
- 営業利益率: 8.8%(2025年実績)
- 自己資本比率: 21.5%
- ROE: 26.3%
- ROA: 5.2%
- 有利子負債比率: 1.07倍
🏆 市場ポジション
重工業界大手比較
企業名 | 平均年収 | 売上高 | 強み・特徴 |
---|---|---|---|
三菱重工業 | 965.5万円 | 4.6兆円 | 総合重工業界首位・多角化 |
IHI | 836万円 | 1.6兆円 | 航空エンジン・過給機技術 |
川崎重工業 | 809.6万円 | 1.8兆円 | 航空機体・モーターサイクル |
コマツ | 830.8万円 | 3.8兆円 | 建設機械世界2位 |
🌍 事業セグメント
主要事業分野
- 資源・エネルギー・環境: 発電用ボイラー、LNGプラント、原子力機器、カーボンソリューション
- 社会基盤: 橋梁、水門、シールド掘進機、交通システム、都市開発
- 産業システム・汎用機械: 圧縮機、車両用過給機、パーキングシステム、物流システム
- 航空・宇宙・防衛: 航空エンジン、ロケットシステム、宇宙利用、防衛機器
📊 業界動向とマーケットトレンド
年率5%
航空機需要成長率
1億台
過給機累計生産台数
2050年
カーボンニュートラル目標
+43%
防衛費増加率(5年間)
🔥 成長ドライバー
機会
- 航空需要回復とエンジン需要増
- 防衛費増額によるビジネス拡大
- カーボンニュートラル関連技術
- 宇宙産業の成長
課題
- 景気循環による業績変動
- 長期開発サイクルのリスク
- 国際競争の激化
- 技術者不足
👔 働く環境・社風
企業文化の特徴
- 技術重視: ものづくりへのこだわりと技術革新
- チャレンジ精神: 困難な技術課題への挑戦
- グローバル: 国際共同開発プロジェクト
- 安全第一: 品質と安全性への厳格な基準
ワークライフバランス
- 年間休日120日以上
- 有給休暇取得推進(平均取得率65%)
- フレックスタイム制度導入
- 育児・介護支援制度充実
- 働き方改革による残業削減
キャリア開発
- 技術系専門コースの充実
- グローバル人材育成プログラム
- 社内外研修制度の活用
- 資格取得支援制度
- 海外駐在・出向機会
🎯 転職・就職戦略
求められる人材像
- 技術志向: ものづくりへの強い関心と探究心
- チャレンジ精神: 困難な技術課題に立ち向かう意欲
- グローバル思考: 国際的な視野と語学力
- 協調性: 大規模プロジェクトでのチームワーク
- 責任感: 社会インフラを支える使命感
選考対策のポイント
- 技術理解: 航空エンジンやエネルギー技術への関心
- 業界動向: 脱炭素やデジタル化への理解
- チーム経験: 大学研究室やプロジェクト経験
- グローバル経験: 海外経験や語学力のアピール
面接でよく聞かれる質問
- 「なぜIHIを志望するのか?」
- 「どの事業分野に興味があるか?」
- 「技術的に困難な問題に取り組んだ経験は?」
- 「グローバルに働く意欲はあるか?」
- 「10年後のエンジニアとしての目標は?」
🔮 将来性・成長戦略
中長期戦略
🌏 カーボンニュートラル戦略
- アンモニア燃焼技術の社会実装
- CO2回収・利用技術(CCUS)の開発
- 水素関連インフラの構築
- 再生可能エネルギー技術の拡充
💻 デジタル変革
- AIを活用した設計・製造プロセス
- IoTによる予知保全サービス
- デジタルツインの活用拡大
- サプライチェーンのDX推進
投資重点領域
次世代航空エンジン
技術開発
カーボンニュートラル
新技術
宇宙ビジネス
事業拡大
人材育成
組織強化
🚀 成長機会
- 持続可能な航空燃料: SAF対応エンジンの開発
- 宇宙産業拡大: 小型衛星・月面探査への参画
- 防衛技術: 無人機・ミサイル防衛システム
- 新エネルギー: 水素製造・貯蔵技術の商用化
- アフターサービス: デジタル技術を活用した保守事業
📝 まとめ – IHIで働く価値
✅ IHIの魅力
- 技術力: 世界トップクラスの航空エンジン技術
- やりがい: 社会インフラを支える使命感
- グローバル: 国際共同開発プロジェクトへの参画
- 成長機会: 最先端技術開発への挑戦
- 安定性: 重工業界での確固たる地位
⚠️ 注意点・課題
- 業績変動: 景気循環による収益の不安定性
- 開発期間: 長期にわたる技術開発サイクル
- 競争激化: 国際的な技術競争の厳しさ
- 保守的文化: 変化への対応スピードの遅さ
- 地域格差: 工場勤務地の制約
🎯 こんな人におすすめ
- 最先端の航空宇宙技術に関わりたい技術者
- 長期的な視点で技術開発に取り組みたい人
- グローバルな環境で活躍したい人
- 社会インフラを支える使命感を持つ人
- ものづくりへの強いこだわりを持つ人