2025年9月、韓国ドラマ界の頂点に立つパク・ミニョンが新たな挑戦を見せています。
9月6日よりAmazonプライムビデオで世界独占配信がスタートした『#コンフィデンスマンKR』で主演を務めるパク・ミニョン。現在39歳の彼女は、今や”ラブコメクイーン”の異名で親しまれ、出演作品を軒並みヒットさせる数少ない韓国女優として不動の地位を築いている。
しかし、その成功の道のりは決して平坦なものではなかった。デビューから約20年、彼女が歩んできたのは”遅咲き”という言葉がふさわしい、粘り強さと情熱に満ちた軌跡をまとめた。
地道なスタートから見つかるまでの長い道のり
1986年3月4日生まれのパク・ミニョン。

2005年に『SKテレコムJune』のCMでデビューし、その1年後、MBCドラマ『思いっきりハイキック!』に出演して女優デビューを果たした。しかし、デビュー作以降の芸能活動は低空飛行が続いた。
数々の作品にバイプレイヤーとして出演を重ねるものの、俳優として日の目を見るまで実に15年もの歳月を要した。飲食店のアルバイトは33歳まで続けていたというエピソードが示すように、まさに”がんばる美人”を地で行く半生を送ってきたのだった。
この長い下積み時代について、彼女は後に「いつまでこのようにキャラクターに対する情熱を注ぐことができるのか疑問もあった」と振り返っている。しかし、その間も演技に対する真摯な姿勢を持ち続け、着実にキャリアを積み重ねていった。
2010年「トキメキ☆成均館スキャンダル」での遅咲きブレイク
転機となったのは2010年、#パク・ミニョンが24際のとき

韓国・KBSで放送されたテレビドラマ『トキメキ☆成均館スキャンダル』で主演の男装のヒロインを演じ、話題となった。同作は2010年KBS演技大賞最多受賞作となり、社会現象にもなって中毒視聴者が続出した大ヒットドラマ。
パク・ユチョン、パク・ミニョン、ソン・ジュンギ主演で描かれた、女子禁制の名門校に入学したヒロインと国の未来を背負う若きイケメンエリートたちが繰り広げる青春ラブストーリーは、視聴者の心を掴んで離さなかった。
トキメキ 成均館スキャンダル
ジャンル: コメディ、ドラマ
時は王朝時代、男装して科挙試験の代筆でお金を稼ごうとするキム・ユニ。何の因果か、女子禁制の名門校”成均館”に入学し、男として寄宿舎で暮らす事に!?
この作品での成功により、パク・ミニョンは2010年KBS演技大賞で女子優秀賞、ネチズン賞、ベストカップル賞を受賞。デビューから5年を経て、ようやく彼女の才能が世間に認められる瞬間だった。
整形カミングアウトで見せた潔さと好感度アップ
ブレイクと共に浮上したのが整形疑惑
しかし、パク・ミニョンはこの問題に対して驚くほど率直に対応した。人気上昇に伴い整形疑惑が浮上した際、インタビューで”中学の頃二重まぶたに、デビュー前に鼻を整形した”と潔く告白。
「中学生の時、母がもっと綺麗になるようにと二重まぶたの手術をしてくれました」「鼻も手術しました。これは鼻の骨が曲がっていたため、手術の必要があったんです」と堂々と明かしたこの潔さが、かえって好感度を急上昇させることになった。

韓国芸能界では整形疑惑に対して否定するのが一般的な中、彼女の正直さは多くのファンから支持された。整形を堂々カミングアウトした潔さもあって好感度も抜群となり、これが後の成功の基盤となった。
「ヒーラー」で確立されたロマンス女優としての地位
2014年、パク・ミニョンはさらなる飛躍を遂げる。
チ・チャンウクとともに主演を務めたKBS2ドラマ『ヒーラー〜最高の恋人〜』では過去に何かを抱えている記者を演じた。『ヒーラー』は特に中国で人気となった作品として知られています。
大ヒットドラマ「ヒーラー〜最高の恋人〜」では、前髪ありのパク・ミニョンが新鮮で、きれいなお姉さん的なビジュアルから、前髪ありのキュートなギャップで視聴者の心を鷲掴みにしたのです。
この作品で2014年「KBS演技大賞 中編ドラマ部門女性優秀演技賞」と「ベストカップル賞」をチ・チャンウクと共に受賞。ロマンス作品での彼女の魅力が広く認知されるきっかけとなりました。
ヒーラー ~最高の恋人~
ジャンル: コメディ、Action & Adventure、謎、ドラマ
レジェンド級の使者「ヒーラー」、ソ・ジョンフ(チ・チャンウク)は今日も新しい依頼を遂行していてライバルと激戦を繰り広げる。スター記者のキム・ムンホ(ユ・ジテ)は、生放送中に再び事故を起こし、B級のインターネット新聞芸能部記者であるヨンシン(パク・ミニョン)は今日もスクープを夢見てスターを追いかける。
「キム秘書はいったい、なぜ?」で”ラブコメクイーン”の称号を獲得
2018年、パク・ミニョン32歳の時に運命的な作品と出会う。
パク・ソジュンと初共演したtvNドラマ『キム秘書はいったい、なぜ?』では、彼女がラブコメディに初挑戦し、猛ダッシュに豪快クシャミ、変顔も厭わず熱演。この作品こそが、彼女を真の”ラブコメクイーン”へと押し上げた。
アクセス数2億回超の大人気ウェブ漫画を実写化した同作は、原作キャラクターとシンクロ率200%という驚異の数字を叩き出し、”パク・ソジュン病”にかかる人が続出した。
放送終了後には100カ国以上に放送権と配信権が販売され、”影響力のある番組1位””話題の番組1位”に輝く快挙を遂げたこの作品により、パク・ミニョンは一躍アジア全域で知られる存在となった。
パク・ミニョンは昨年の初ファンミーティングで、チケットが販売開始30秒で完売するほど人気となり、2018 APAN STAR AWARDSでKstar人気賞を獲得。30代前半にしてようやく手にした栄光だった。
キム秘書はいったい、なぜ?
ジャンル: コメディ、ドラマ
すべてにおいて完璧な財閥の御曹司にとって、思い通りにならないことなど何もないはずだった。ある日突然、有能な個人秘書が会社を辞めると言い出すまでは…。
37キロまで減量した究極の役作り「私の夫と結婚して」
2024年、パク・ミニョンは女優としての新たな境地を見せつけた。

tvN新月火ドラマ「#私の夫と結婚して」では、がん患者という設定をリアルに表現するため37kgまで減量した。この極限の役作りは、韓国芸能界に大きな衝撃を与えた。
「健康的に痩せたら雰囲気が出ないと思ったので、皆さんには絶対に勧めないが、食事制限をして撮影する時はイオン飲料だけで何とか耐える程度にした」と語った彼女の職業意識の高さは、業界内外から大きな称賛を集めた。
「私も年なので、いつまでこのようにキャラクターに対する情熱を注ぐことができるのか疑問もあった。最後に大きな力を振り絞って死ぬ気でやってみた」という言葉からは、30代後半となった彼女の演技に対する真摯な姿勢が伝わってくる。
私の夫と結婚して
ジャンル: ドラマ、Sci-Fi & Fantasy、コメディ
夫パク・ミンファンと親友チョン・スミンの不倫現場を目撃した末期がんを患うカン・ジウォン。2人に殺されたジウォンは、突然10年前の過去に戻ってしまう。会社の上司ユ・ジヒョクに助けられながら、人生の“ゴミ”を処分し、運命を変えようと奮闘する。
韓国ドラマの話題性調査においても6週連続1位を記録するなど、圧倒的な人気作品となった。
2025年「コンフィデンスマンKR」で新たなチャレンジ
そして2025年、パク・ミニョンは新たな挑戦に乗り出した。

古沢良太氏のオリジナル脚本で長澤まさみ、東出昌大、小日向文世が出演する人気作『コンフィデンスマンJP』シリーズを原作に、韓国人キャスト、クリエイターによってリメイクされた『#コンフィデンスマンKR』で主演を務めている。
天才詐欺師ユン・イランを演じるパク・ミニョンは、セレブリティ、実業家、フライトアテンダントなどに変装する姿を見せ、スリルと笑いが交錯する物語への期待を高めている。
フジテレビは「実写ドラマの韓国版を、韓国現地における放送・配信に加え、Prime Videoでの配信を通じて全世界に届ける施策は今回が初」と発表しており、パク・ミニョンの国際的な注目度の高さがうかがえる。
コンフィデンスマンKR
ジャンル: 犯罪、コメディ、ドラマ
狡猾な悪党と泣き寝入りする被害者で溢れるこの世界で、3人の詐欺師は華麗に人々の欲望と戦う。 彼らが狙うのは悪党のみ、そして復讐は決して求めない。コンフィデンスマンKRの世界へようこそ。

遅咲きだからこその強さと魅力
パク・ミニョンの成功は、まさに遅咲きの美学を体現している。
20代前半でのデビューから約15年間の下積み期間、30代前半での本格ブレイク、そして30代後半で見せた極限の役作りまで。彼女のキャリアは、諦めずに努力し続けることの大切さを教えてくれる。
「ロコクイーン」(ロマンティックコメディクイーン)という異名で呼ばれ、ロマンティックコメディではコミカルでキュートな演技力が好評な彼女だが、その演技力の根底にあるのは長年の経験と真摯な姿勢だ。164㎝と韓国女優の中ではそこまで高身長ではないが、手足が長く筋肉と脂肪が程よく付いたまさに理想のボディで、どんなファッションでも似合う女優として、ファッションアイコンとしての地位も確立している。
現在39歳のパク・ミニョンは、40歳を目前にしてもなお進化を続けている。
今後は『コンフィデンスマンKR』や『セイレーン』(原作『氷の世界』)など、日本ドラマのリメイク作品への出演が決まっており、引き続き活動に注目されている。
遅咲きのブレイクから約15年、彼女の成功の軌跡は多くの人に勇気を与えてくれる。年齢を重ねることへの不安ではなく、経験を積むことの価値。一時的な流行に流されない、本物の魅力の大切さ。パク・ミニョンの物語は、そんなメッセージを私たちに投げかけているのではないだろうか。
20年という長い時間をかけて築き上げた彼女の地位は、決して偶然の産物ではない。地道な努力、真摯な姿勢、そして何よりも演技に対する情熱。それらすべてが結実したのが、今日のパク・ミニョンなのだろう。